火曜日, 11月 20

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q鑑賞

そろそろネットのネタバレ回避に気を回すのも疲れてきたし、さっさと見てしまうことに決めた。昨日が早出勤務で今日は遅出勤務だから相当の空き時間があり、この間にじっくりと体調を整えることができるだろう…という計算もある。
というわけで、いつもなら翌日が遅出もしくは休日の場合は、夜食にホットケーキを焼いて食べるところを(上映中に腹痛になったらシャレにならないので)我慢し、万全の態勢で臨んだ…はずなんだが、なぜか当日は強烈な眠気に襲われ、なかなか布団から抜け出せなかった(苦笑)。おかげで、余裕を持って出かけるつもりが遅れ気味になってしまい、ちょっと焦ることに。

上映が始まる前に、まずはV書店に立ち寄って、先日ネットで注文しておいたエロマンガを回収。それからチケット売り場に向かったわけだが、職場でもらったタダ券は、このシネコンでは使えなかったため、やむなく自腹で当日券を購入。
そのせいで財布の中身が寂しくなり、パンフを買えなくなったものの、幸か不幸か、どちらにせよパンフを買うことは無かった…要するに──本編を鑑賞した際には把握しきれなかった設定やストーリーをフォローしたいとか、スタッフ&キャストの話を聞きたいと思わせるほどには──評価できなかったという事ね。

まずは同時上映の巨神兵東京に現わるについて。基本的には良くできていたと思うけど、その上でマイナス点を挙げるなら、まず巨神兵がいきなり空中に出現したのは唐突すぎた。やはり伝統的に(笑)、地割れの中から現れて這い上がってくるのが理想的だけど、せめて地上で起き上がるか、空から落下してきて地面に激突する過程を見せるべきじゃないかと…まぁ、そこまでの予算は無かったのだろうから仕方ないか。
それから、巨神兵の口腔内に備えられた砲塔が、せり出してくる方式だったことに違和感がある…ああいう機械っぽいギミックが仕込まれているのなら、純正の有機体ベースではないということになり、ナウシカ本編における描写と矛盾するのでは?(←体内に機械的な器官を備えたサイボーグ的な存在ならば、それらも骨と一緒に残りそうなものだが、劇中では骨しか描かれていなかった)。とはいえ、俺が最後にきちんとナウシカを見たのは、もう何年前だったのか覚えていないワケで、誤った記憶に基づいて見当違いなことを言っている可能性もあるか…。
最後に、林原のナレーションは不要に思えた。本気で“巨神兵”と“東京”の整合性を取ろうとするなら、それこそ映画を丸ごと1本作れるだけの設定とストーリーが必要であって、わずか5分程度の短編に収めるのは不可能…にも拘わらず、中途半端に取り繕おうとしたせいで逆効果になってしまった感じ。ここは敢えて余計なことをせず、映像の力だけを信じて正面突破を図ったほうが良かったんじゃないかと。“火の7日間”に関するフレーズだけは悪くなかったが、これはナレーションじゃなく文字だけを挿入する形だった事と、“東京”とは関係なく本来の“巨神兵”が有する設定だったから…というのが理由だろう。

ヱヴァについては、最初の30分ほどがピークだったな──ヤマトの第一艦橋を想起させる、戦闘ブリッジへの移動シークエンス。大塚明夫ボイスでしゃべる、新キャラのブリッジ要員のおっさん。どこかで聞いた覚えのあるBGM──って、ナディアν-ノーチラス号が発進するシーンのセルフパロディかよ!(笑)
ヤシマ作戦もそうだったけど、ほんとに庵野は、この手の“段取り”の描写をやらせたら抜群に巧いね…だから腕は衰えてないと思いたいところだが、それにしては以降の展開がダメすぎた。
とりあえず“ロボットアニメとしての”エヴァの最大の面白さは、使徒の能力特性と、それに対抗する手段のアイデアにあるんじゃないかと思う──だからこそ、それらが数多く描かれたは、非常に面白かった──んだが、今回はそういうタイプの戦闘が少なくて、大半がエヴァVSエヴァ…しかも(旧劇場版における弍号機VS量産機軍団のような)近接戦闘メインではなく砲撃が主体なので、アクションとしても見ごたえに乏しく、目新しいアイデアも盛り込まれていなかったし。
にも拘わらず次回予告では、またもやそのエヴァVSエヴァのシーンが描かれており、今回だけでなく次回までも全く期待感を抱けないというあたり、ほんとに救いようが無い…言うまでもなくQのBDを買わないのは確定として、次回の上映についても──今回を教訓として、人柱から充分に評判を聞くまでは──見に行くのを控えるつもり。

敢えて“良かった探し”をするなら、新キャラの鈴原妹が可愛かったぐらいか(笑)。CVは沢城みゆきだし…兄妹そろって、方言の演技は微妙だったけど(苦笑)。
あとは、声優陣の演技について──とくにミサトの声の劣化や、ゲンドウがマダオになってしまわないか──心配していたが、この点については杞憂で済んだ。ただしアスカは(通常の演技は問題なかったものの)声を張り上げるところで、ちょっと重みというか厚みが足りないように感じられたような…。
細かいところでは、リツコがミサトの側についたのが意外だった…旧版の思考だったら──たとえ裏切られようと殺されようと──最後まで絶対に、ゲンドウの側から離れなさそうだが。あるいは、ひょっとして髪を短く切っていたのは、ゲンドウと別れたことを表現していたのだろうか?(←ミサトなども容姿に多少の変化が見られたことから、普通に時の流れを表現しただけかも知れないけど)

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