木曜日, 11月 17

機動戦士ガンダムUC 4鑑賞

今日は休日。昨日の時点で大きな用事を3つ片づけたので、今日はスケジュール的に余裕がある一方、やはり無理をした反動か、昼間にかけて爆睡してしまった。
というわけで結局、最後から2番目の上映時間に、しかも始まるギリギリ直前に駆け込むという慌ただしいことに…まぁ眠気と疲労を完全に解消し、ほぼベストの体調で臨むことができたので悪くはないか。とはいえ、あの映画の内容では、眠気だの疲れだの感じているヒマも無かっただろうけど。

本編の前にテンションを高めておく&ストーリーを思い出すために、前回までのあらすじを流すという方法は間違ってないと思うが、さすがに少し長すぎで、むしろダレてしまいそうになる…まぁダグザの死ぬシーンは、曲の効果も相俟って、やっぱりグッと来るものがあったけどね。あと、(シャアじゃない)池田秀一の声って、あんまりナレーションに向いてないような…でも永井一郎はサイアム役だし、他に適切なナレーション役も思いつかないから、仕方ないか。

かなり原作の話を忘れてしまっている事もあるけど、細かいセリフに関しては改変されているのかどうか判別できなかった箇所が多々あり。もちろん大筋のストーリーが大幅に改変されているのは明白なのだが、にも拘わらず根幹の部分では「紛れもなくユニコーン」と思えるような内容に収まっているあたり、スタッフは原作の本質をきちんと見極めていると高評価。
それにしても、脚本を大幅に改変した効果は絶大だな。なにしろ前巻までは、尺が足りなくてキチキチに詰め込んでいたのに、今回は冗長に感じられる部分さえあるという…クライマックスの、ロニは死ぬのか助かるのかという部分は、さすがに引っ張り過ぎじゃないかと。まぁこれは「リディがとどめを刺す」とネタバレ食らっていたせいであって、もし知らなければ、いい塩梅にハラハラさせられたのかも知れんけど。

まぁ仮に冗長な部分を圧縮したとして、その代わりに入れるシーンというのも、とくに思いつかないしなぁ…これ以上メカ関連の作画を増やしたら、スタッフに死人が出るだろうし(笑)。
原作で削られたエピソードとして、はっきり覚えているものといえば、①ダカールでシャンブロと戦っていたGMのパイロットが、リディに決死の思いを伝える。②ジンネマンが砂漠越えの成功を祝して、バナージに酒を飲ませる。③ロニの案内で、ダカールの連邦憲章を見る(←重要な伏線だが、どうするつもりなんだろ? まぁ、このスタッフに抜かりは無いと思うが)。④トライスター登場時の踏み台パロディ(←これはどうでもいいな)…と、これぐらいだけど、いずれもカットして差し支えないか、入れるのが無理なものばかりだし。

他に不満点と言えるのは、艦長室にあったアムロの遺影が少し大きすぎないか?(←まるでポスターみたい)とか、ブライトの顔が少し横幅ありすぎじゃね?(←まぁ加齢によるものと考えれば、許容範囲ではあるんだが)ぐらいか…声については、予想通りとはいえ全く違和感なかったけどね。
あとは、シャンブロがメガ粒子砲を発射しようとするたびに、いちいち砲口を開くプロセスが描かれるのも、クドかったな。
シャンブロ自体は、申し分のないカッコ良さだっただけに惜しい…かつて樋口真嗣が、モデルグラフィックス誌上で「水中用MS/MAは“メカ怪獣”である」と喝破していたが、まさしくそのノリ。アームを伸ばしてヒマラヤ級原子力空母を襲撃するシーンなんて、ウミヘビか大ダコの触手にしか見えんし。
トリントンに対する沿岸部からの攻撃は、ファースト第26~27話のベルファストをリスぺクトしているような印象。しかし連邦側MSの大半がGM系だったのは、ちょっと地味だった…まぁこの時代の連邦軍の状況を考えれば妥当だし、ジオン側がバリエーション豊富すぎたのでバランスをとったという面もあるか。いい勝負になるよう、戦力的な意味でのバランスを考慮したのも間違いないだろうな。
それだけに、バイアランの活躍は際だっていた(笑)。対空迎撃機なら、普通は(Zのダカールみたいに)アッシマーあたりが配備されてるんじゃねえの?という気もするけど、これは次回にアンクシャが多数登場するので、カブるのを避けるための処置だと肯定的に解釈しよう。
でもガルダを軌道プラットホームとして運用するのなら、アッシマーよりもギャプラン系の護衛機を搭載した方がいいと思うんだけどね…ギャプランならブースターを増設することで超高々度まで上昇できるから、打ち上げたシャトルが大気圏離脱するギリギリまで、随伴できるというメリットがあるし。
アンクシャと同じ開発コンセプトで、ギャプランにGM系のパーツを共有させた、アニメ版オリジナルの機体が登場したら…などと妄想。

蜂起の呼びかけを受けて、ジオンMS軍団が次々と隠れ場所から姿を現すシーンは、ほとんどホラー映画の、墓場から蘇るアンデッドのノリだった(笑)。
しかし、ダカールとトリントンの両方に登場するカプールは、ちょっと優遇されすぎ。どちらか片方はハイゴッグあたりに変えて欲しかった。

気になったのは、ダイナーの主人がミネバに対し、自分たちの世代の失敗を若い世代に押しつけることについての、複雑な思いを吐露するシーン。もともとユニコーン自体が抱える“世代と継承”というテーマに基づいたものだろうけど、311を経た後では違った意味に聞こえる…いや正確には、単に“物語を駆動させるための前提”でしかないと思っていたフィクション世界の問題が、現実世界にも共通するものなのだと、今更ながらに実感させられたという事なのだろう。
ところで原作を読んだ時には、ミネバの食い逃げ疑惑についてツッコミを入れたものだが、どうやらキチンと支払われたようで安心した(笑)…しかし払ったのはミネバ本人か、それとも追っ手なのか?という新たな謎が気になって、やはり落ち着かないのであった(笑)。

最後をバンシィ出現のシーンで〆るのなら、スタッフロールに入る前に“episode 5 黒いユニコーン”と文字だけの予告を先に挿入したほうが、原作未読の者にはインパクトあったんじゃないかと…まぁ流れが途切れてしまうのと、スタッフロールの後に改めて通常の予告が出た際に、しつこく感じられてしまうデメリットもあるから、難しいところだな。

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