土曜日, 11月 12

2011秋クールアニメ概況

放送開始前に期待していた作品がイマイチで、あまり期待していなかった作品が意外に面白い…というパターンは、べつに今期に限った話では無いのだろうけど、とりわけ今期はその傾向が強いように思える。
今期作品で、放送開始前と後の評価が一致していると言えるのは、Fate/Zero(←いい意味で)とかガンダムAGE(←悪い意味で)ぐらいかね。

期待に添えず低迷している作品としては、はがないギルティクラウン…って、どっちも放送開始前の過剰な持ち上げ(あるいは宣伝)の反動による自業自得だが(笑)。まどかマギカのように、大して期待されないままひっそりと始まった作品のほうが、化けたときのインパクトが大きい分、より勢いよく人気が上がりそうに思えるんだがな。
逆に、まったく期待していなかったけど、いざ始まってみれば結構おもしろいじゃん…という作品としては、シャナFinal銀翼のファムといったあたりが思い浮かぶ。要するに制作会社とか前シリーズに“前科”(笑)があって、信用を失っているパターンだな。
ところが両者とも、新シリーズが始まってみると、これが意外に面白い。シャナは原作を読んでいないので、原作に忠実かどうかは知りようがない(←それでも、第2期がグダグダ進行だったのはハッキリと分かった)し、設定やら新キャラの洪水に呑まれそうになるけど、それでも普通に(何も考えず)見ているだけで楽しいのは、ストーリーが動いている実感と、今後の展開を期待させる雰囲気が醸し出されているからだろうか。始まる前は「もう釘宮のツンデレヒロインは飽きた」とか言ってたのにね…まぁ緋弾のアリアがつまらなかったのは事実だが(笑)。

一方の銀翼のファムも、今のところは出だし快調という感じ。前シリーズのキャラが元気にやっているのを見れただけで嬉しいというのは、シリーズものの強みだな…って、当時それほどハマっていたわけじゃないはずなんだけど、なにしろ遠い昔のこと(←始まった頃は、まだCS視聴環境じゃなくて、VHSをレンタルしていたはず)だから、記憶が定かじゃないんだよね。
で、途中で観るのをやめたということは、やはり(GONZO作品に恒例の)中だるみ状態に陥って、投げ出してしまったのかね? その後、終盤の話が何本か、CSの無料放送日に流れたので一応はHDDレコーダーに録画しておいたものの、ずっと放置されたままだったんだけど、今回のシリーズが予想外に面白かったこともあり、空いた時間に視聴してみたところ、なかなか良かったんだよね。
長いインターバルを経た今だから、落ち着いて観られた。あるいはストーリーの流れを把握できない状態で、見せ場となるシーンだけを抜粋して観たようなもの(←映画の予告編サギに近い?)だから…という事もあるだろう。
それでも、ルシオラの消滅、シルヴァーナの吶喊、デルフィーネの最期…といった展開は、心に来るものがあった。いずれも“お約束”と言ってしまえばそれまでだけど、萌え系ばかりが幅を利かせる昨今では、こういう王道の作品は少数派であり、そもそも“お約束”と言えるほどの回数、お目にかかれなくなっているんだよなー。
とはいえ放映が今期というのは、タイミングが悪い…同じく王道系であるFate/Zeroのせいで、影が薄くなってしまった。しかもクオリティ的には、断然あっちのが上だし(苦笑)。
こちらは作画・脚本ともに、アラが目につかないと言えば嘘になるものの、それは「むしろ今のGONZOの身の丈に合っている」と、敢えて肯定的に評価したい。かつて前シリーズ(および、他の多くのGONZO作品)が、分不相応な大作志向の挙げ句に、中身が追いつかず自滅したことから得た教訓ではないかと…本編開始前の特番で「世界が注目~」みたいに過剰な煽り文句を聞いたときは「ああ、相変わらずのGONZOか」と思わず失笑してしまったが(笑)、どうやら杞憂だったようで安心した。

まぁどちらの作品も先は長いし、そのうち制作会社の悪いクセが出て失速する可能性は否定できないが、このまま可能な限りクオリティを維持しつつ、たまに神回と呼べるようなエピソードを生み出してくれれば、BD購入もあり得ない話ではない。

0 件のコメント: