火曜日, 7月 26

藤子・F・不二雄大全集 大長編ドラえもん 3

ガンダムエース立ち読みの代償として、D書店にて購入。
恐竜宇宙開拓史大魔境の第1巻(620ページ)が1890円
海底鬼岩城魔界大冒険宇宙小戦争の第2巻(648ページ)も同じく1890円
なのに、なぜ鉄人兵団竜の騎士だけの第3巻(436ページ)が1785円もするんだ!?

せめて日本誕生も加えるべき…って、いや、やっぱりイラネ(笑)。むしろ逆に竜の騎士も削って、その分もうちょっと安く…とか思っていたけど、いざ読んでみると意外に悪くないな。
むかし劇場版を見たときには、それまでの大長編に比べてストーリーの牽引力が弱いような気がして、単に「ドラえもんを紹介役とした、隕石衝突説を解説するだけの話」としか思えなかったわけだが、今回はそういう物足りなさを感じなかった。
まぁこれは初見と二度目との差…という点が大きいか。初見の時は、これまでのように“悪い奴をやっつけて終了”じゃない話ということに面食らってしまい、落ち着いて咀嚼できなかったことは否定できないし。

逆に鉄人兵団のほうは、どうしても原作コミック版の評価が厳しくなってしまうなぁ…映像と音楽を駆使して盛り上げられる劇場版に比べると、やはり(ただでさえシンプルな藤子作品だし)マンガ媒体が見劣りしてしまうのは仕方あるまい。
コロコロ連載時はさらに酷かったらしく(←ページが足りなくて、地球に帰還したしずちゃんが事情を告げたところで終わりとか、そりゃブツ切り感がハンパないわ)、その原因を遡ると「最初ゆったり始めすぎた」のがマズかったそうな…単行本では、その前半を短縮するよう修正が行われたわけだが、どうせならこの本では“完全版”を謳って、修正前のバージョンも同時に収録してくれたなら、上記の値段に対する不満も多少は和らいだかも。
あとがきにかえてでは「残念だったのは、解決にタイムマシンを使ったこと。ちょっとイージーでした」との自己反省…まぁ確かに、夢オチと並ぶ禁断の荒業ではあったけど、あれだけ感動的なシーンに仕上げることができたんだから、別に許されるのではないかと。逆に、禁じ手を使わなければ倒せなかったことが、「ドラえもん映画史上最強」であった裏付けとも言えるわけだし。

巻末解説たかや健二宇宙開拓史から鉄人兵団までチーフアシを務めた人…というより、“プラコン大作の作者”と言ったほうが分かりやすいな。
そして何より“ザンダクロスをデザインした人”であって、そのあたりの経緯──ギリシャ時代の甲冑を参考にした事など──も詳しく記されており、非常に興味深い。なるほど、プラコン大作に描かれたメカやプラモに対する造詣の深さを見れば、ザンダクロスのデザインを任されたのも納得ではある。

扉絵コレクションを見ると、ザンダクロスのカラーリングは…
連載第1回:薄い金色(黄色?)。ジ・オぐらいの色合い?
連載第4回&てんとう虫コミックス表紙:アニメ版と同じ。白色をベースに、トリコロールのアクセント。
連載最終回:濃い金色。まんま百式…と言いたいところだが、むしろ身構えたようなポーズも相俟って、Gガンのハイパーモードみたいに見える(笑)。
…と、バラバラ。誰が色を指定していたんだろう? このあたりの事情も明かして欲しかったところ。

また原作コミック版においては、ディティールの描き込みはシンプルに済ませていたんじゃないかと思いきや、意外と緻密だったので驚いた。
間を持たせるために、謎のパーツやラインを加えるのは基本として、足に描かれたマーキング(矢印)なんかは、当時のガンプラがMSVを経て、ミリタリー系のリアリティ重視路線に向かっていたことを思い出させるな。

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