木曜日, 1月 27

時の消失請負人第1巻

電撃大王立ち読みの代償として、D書店で購入。

表紙にブリティッシュが描かれていないとか、どういうつもりだよ!? ダメだ全然わかってねぇ…と思ったものの、読み直してみるとエアデールも(←表紙はともかく、本編の絵は)けっこういいねぇ。
また雑誌掲載時には気づかなかったが、第1話の冒頭に「男は扉を開け、結果すべてを失った」という伏線描写があった事からすると、この時点で物語のグランドデザインは構想されていたんだな…いや、単行本化の際に加筆修正された可能性もあるか。立ち読みで済ませてしまった以上、確認のしようがないけど。

>現在貯金25万。
あっ、すみませんっ! わたくし見栄を張りました! 
ホントは数字の前にマイナスがつきます。
次の巻が出る頃には
マイナスがプラスになることを祈って
草でも食ってがんばるよ…。

神のみがヒットする前の若木民喜といい、亜桜まるといい、最近のマンガ家は貧乏ネタが多いな…まぁ実際、よほど売れているトップクラス以外は楽じゃないのかも知れないけどね。
いい作品を手がけたクリエイターには、できるだけ金銭的な支援をしたいと思う一方、そう思えるだけの作品が少ないという──しかもその原因は、オリジナリティの枯渇とかオレ自身の感性の老化とか、クリエイター側の努力では対処できない部分も大きかったりする──のが実情なんだよなぁ。

>資料や本もかなり短い時間で読んだり、編集にも企画を通す時の打ち合わせで「この作品で、ある程度の結果が出なかったら、漫画向いてないから諦めろ」と始まる前からなぜか精神的に追い詰められたり、作画日数1ヶ月切ってる状態で80Pを一人でこなす等々、いろんなプレッシャーの中で描いたので大変でした。
参考文献一覧を見ると、かなりシナリオ構成に手間のかかる作品だと改めて思い知らされるな。これだけ苦労し、またそれなりに期待できる作者(作品)に対して、編集サイドの追い込みがハンパない…まぁ有望であるが故の愛のムチかも知れんけどね。
第2話に関しては、やはり作者もオリジナリティとは何ぞや?って悩んだのね…まぁ最後に登場したリアルブリちゃん絵がカギだとは思わなかったが(笑)。

描き下ろしの短編は、資産家の父親と息子2人の、遺産の相続を巡る殺人事件の真相を解き明かす話。
父親殺しの真犯人は、厳格な父に普段から反発していた長男ではなく、父親に従順だった(にも拘わらず、遺産のごく一部しか与えられないことを知った)次男だった…。しかし実は、その与えられた額──なぜか“500万円”と日本円表記であることには、ツッコミを入れずにいられない…遺言状などは明らかに欧米風なのに(笑)──とは父親が起業した当時の資本金と同額であり、経営のノウハウを教え込み才能があると認めた次男に、好きなように生きてほしいと願った故だった…というのが真相。
さほど意外性のある話でもないけど、単行本化に際してページ不足を補うための描き下ろしと考えれば、悪くない出来だろう。

時の消失請負人(1)

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