火曜日, 9月 14

藤子F全集・ドラえもん第9巻

ニュータイプ立ち読みの代償として、O書店で購入。

ふんわりガス
「これをかけると、空気よりも目方が軽くなる」
「乗っても平気だよ」
…いや、そのりくつはおかしい(AAry
ルビが振られているとはいえ“飛行機”や“捕鯨船”(←これは3本目のさかなつりに登場)なんて難読漢字を、小学校に入学したばかりの子に読ませていいのだろうか…と思っていたら、巻末解説俵万智が、ちょうどその事について触れていた。そういえば俺も、アーケードゲームのメッセージで英語を覚えたっけ…好きこそ物の上手なり、だな。

キングコング
たしかアニメ雑誌の本郷みつるインタビュー記事で「チックンタックンにキングコングを登場させようとしたら、版権料が数百万円かかると言われたので諦め、キンノコングにした」というエピソードを読んだ記憶があるんだけど…まぁお笑いコンビのキングコングとかもあるワケだし、映像として登場させなければ問題ないのか?
しかし、この話そのものは面白い(←巨大化したジャイアンが、2匹目のキングコング呼ばわりされるオチが秀逸)ので、キングコングの名を伏せた上でアニメ化されるべきだな(←俺が知らないだけで、実際はされているとか?)

かたづけラッカー
中身ポン
クモノイトン
モノモース

ぜんぶ“服が脱げる”系のオチ…いくらなんでも乱発しすぎだろ!(笑) “下品なマンガは描きたくない”という作者の理想と“子供は下品なことが好き”という現実との、ギリギリの妥協点を探った結果がコレなのかも…と憶測。

なぐられたって へっちゃらだい
道具のアイデアとしては半年ほど前の空手ドリンクと類似しているが、話の筋はジークフリートに近いものがあるな。これらの回から逆転のアイデア展開を行なうことで生まれたのが、傑作ウルトラよろいなのではないかと。

あらかじめ日記はおそろしい
敢えて考証を試みるなら、この道具は一種の絶対的観察者と解釈すべき? 量子論的に無限なパラレル分岐の中から、記述された通りの状況が選択されるという…。もし実用化されたとして、日記所有者(←こう書くと未来日記みたいだな)同士が互いに矛盾する記述をした場合どうなるんだろうと思ったけど、各人が自分の主観世界に所属していると仮定すれば、衝突は避けられるかね。
でも、のび太がムリヤリ宿題をやらされたのは外的状況によるものじゃないから、もっと他の機能(←強制催眠とか?)も併用しているのだろうか。

たからさがしカウンター
まさかこの“財宝を積んだスペインの沈没船”が、海底鬼岩城に登場したあの沈没船だったとは…(おいおい)。

百苦タイマー
連載100ヶ月めを記念して描かれた話だとは知らなかった。すると“100年後の世界にタイマーを持っていく”というオチも、それに絡めたものに間違いないな…むかし読んだときは「のび太が長生きして110歳になったらどーすんの?」とツッコミを入れたものだが、ようやく納得がいった。
ちなみに“のび太自身が、タイムマシンで100分後の世界にいく”という解決策も思いついたんだけど、これだとのび太自身は助かっても、行った先の世界ののび太が血まみれ死体になっていそうだな(笑)。

超大作特撮映画「宇宙大魔神」
こちらは'79年の作品なので、キテレツ大百科の「宇宙怪魔神」('76年)のほうが先になる。
21世紀の現時点でも、個人・アマチュアレベルで扱える映像処理技術の敷居はかなり下がっているから、22世紀になればこれぐらいのことは出来ても不思議じゃないな。ただし昔は敷居が高かったゆえに、それを乗り越えて実際に特撮やアニメの制作を行なった者たちは、そのままプロへの道を歩むことが多かったのではないかと。今はいろいろな意味で、プロとアマチュアの境界が薄れてきている気がするわけで、その状況が更に進行して完全にボーダレスとなった22世紀では、もうコンテンツがフリーなのは当然であり、著作権の概念が死滅しているからこそ、↓のような話が成立するのかも知れない。

のび太の部屋でロードショー
感動が、盗まれている! まさか作者も、21世紀にこんな事態になるとは予想できなかったろうな。まぁ↑の話の続きで、22世紀では著作権うんぬんの問題が発生しないからこそ、こういう行為にも寛容なのかも。
そもそも22世紀世界がシンギュラリティに到達しているのは間違いないわけで、そうなると資源の有限性を前提とした従来の資本主義経済も変容してしまっている(←未来の町にただひとりあたりで描かれているように)だろうから、コンテンツも収益性とか考えず純粋に娯楽・芸術として無償提供されるようになっているとか。

百万ボルトひとみ
むかし読んだ時のタイトルは、ずばり「君のひとみは100万ボルト」だった記憶があるのだが…JASRACのしわざか!?

空気ブロックせいぞう機
これまた懐かしい! この道具を題材にした電子ゲーム(←この言葉も死語だよな…)があったよね。ジャイアン&スネオが妨害に飛ばすラジコン飛行機を、うまくブロックの中に閉じ込めるのがコツだった。

税金鳥
最初のコマの「三十人もいる」が、妙にツボにハマったぜ。「ビルマの心臓」と「オバケのドラえもん」は分かるけど、「ぼくは乞食」の元ネタは何だろう? お金がわいて出た話の小切手といい、そろそろ読者に大人社会の仕組みを知ってもらおうという意図だろうか。しかし単なる教育にとどまらず、脱税行為にまでネタを発展させて描くのはさすが。

万能グラス
スパイ衛星といい、22世紀の世界にプライバシーは無いのか!?(笑) 後半の話の流れは、ドラえもんというよりエスパー魔美っぽい雰囲気だと思えた。

ガンファイターのび太
のび太救出決死探検隊

どちらも後の大長編(宇宙開拓史大魔境)につながると思しき話で、ぺージ数も多め。この頃の話は、こういう非日常系と日常系を問わず傑作続きだな。

ココロチョコ
ビョードーばくだん

ともに社会風刺性の強い話で、全体主義やゆとり教育の問題点を批判的に描いている…わけではない(笑)。「日本の将来はどうなるのだろう?」…すいません、世界第2の経済大国じゃなくなっちゃいました。

どっちがウソか! アワセール
ドラえもんらしからぬオチの印象が独特…ナンセンス系の少年SF短編に近い味わいだろうか。

宝星
つばめののび太

どちらも既読だったものの、オチを失念していたおかげで大笑いできた。とくに後者はイイハナシダナーと感動しかけていたのに、台無しだ(笑)。

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