火曜日, 8月 10

ドルアーガの塔 FLOOR.12

【FLOOR.12】
トラップ①出口のない部屋(体力を1ポイントずつ消耗し、3ポイント以下になると気絶)
②くずかご(調べると、白い蛇に噛まれて2ポイントのダメージ)
宝物①銀色のヘルメット(防具ポイント:2)
②情報(ドルアーガの能力と、魅了の術の破り方のヒント)
出現方法①DIEのルートから脱出する
②南壁の本とくずかごを調べる
階移動①外階段→14階
②階段→13階
③フック付きロープ(失敗するごとに1ポイントのダメージ)→14階
④飛び降り(落下により1d6のダメージ)→10階

モンスターの全く登場しないイベント階である。シンプルなトラップから成る(あえて言えばアクションゲームに近い)7階とは異なり、こちらは調査&謎解きを主題とした、いかにもゲームブックっぽい──言い換えればアドべンチャーゲーム的、あるいはTRPG的とでも言えようか──内容となっている。
室内は清潔で落ち着いた雰囲気だから、BGMとしては「イシター」版“サキュバス・プリンセス”が適当だろうか。もしくは、じわじわと体力が奪われていく危険性(←ただし急かすほどではない)から、DRUAGA'S GRAVEの曲とか。
これまでは各階にひとつある階段を1階ずつ順番に上っていくというスタンダードな展開だったが、ここでは出口が3つに増え、階移動も不規則なものが登場するようになる。

それにしても、たかが部屋に閉じ込められたぐらいで、熱湯プールに落ちたのと同じダメージを受けるとは、我らが英雄ギルガメスも意外と繊細なハートの持ち主だったのだな(笑)。べつに毒ガスが流れ込んできた(29階)とか、水責めに遭った(37階)わけでもないんだから、そんなに焦らなくてもいいだろうに…北側に窓があるので、窒息する心配も無いし。
細かいことだが「体力が3ポイント以下になっていたら気絶。ただし1回だけ食事をしてもいい」という記述をどう解釈すべきなのかは、意見が分かれるところかも。体力ポイントが足りなければ、食事をする間もなく入室した瞬間にバタンキューしてしまうのか。それとも大急ぎで食事を取ればセーフなのか。

「モンスターが近くに潜んでいる気配はない」という描写や、実際にマップを書いても隠しスペースが存在しないことから、この階にモンスターが常駐していないのは確かだろう。また11階にもウィスプしか居ないので、気絶したギルを10階まで運んだのは、その10階に所属するモンスターではないかと推測される。
実際に遭遇した3匹のほかにも、雑用係としてコボルト(あるいはゴブリン?)が配属されている可能性はあるだろうけど、小鬼族の腕力では、気絶した人間を遠くまで運ぶのは難しいかと。
そこで思い出されるのが「大きく重いモーニングスターが置かれている」という拷問部屋の描写で、これは恐らくオーク用のものだろう。たまたま別の場所にいてギルとは出会わなかったものの、その怪力を生かして気絶した侵入者を運んだり、捕虜を拷問する役割を担っているのではないだろうか。
同様に13階で気絶した侵入者を運ぶのも、このオークの役目と思われる…なにしろ、あそこにはスライムしか居ないし。たぶん1日1回、12階と13階を見回るよう言いつけられているんだろうな。
でもオークは間抜けなので、13階への通路を開くダイヤルを正しく合わせられるか、いささか心許ないような…あるいはダイヤル合わせや、13階に設置されている松明の補充のような細かい雑用をさせるため、小鬼族を同伴させているかも。

室内が清潔に保たれている理由は、以前に述べた、6階のカギの置かれている部屋にホコリが積もっている理由と同じだろう。こちらは清潔な状態がデフォルトであり、どんなに汚しても、時間が経てば元通りキレイに戻るわけだ。
あるいは中央のドルアーガ像が、じつは43階のものと同じリビングステーテュ(生きている像)であり、侵入者が居ない間は小まめに掃除して回っているとか。
そして侵入者がやって来たときは普通の像のフリをしつつ、侵入者が脱出方法を探しているスキを狙って、その後頭部をいきなり殴ってはダメージを与えていたに違いない…って、ドリフのコントかよ! つーか、この部屋でダメージ受ける理由ってそれかよ!

北壁の窓からは外の様子を覗くことが可能で、今が2日目の朝、天気は爽やかな晴れであることが分かる。ここには数羽のカラスがいて、そのうちの1羽がレイベンである…ということは、ここで出会った時のレイベンは、どうやら普通のカラスと見分けのつかない大きさらしい。
でも第3巻では「翼長5メートルはありそうな、巨大なカラス」って描写されているんだよな。自身(もしくはメスロン)の意志によって、サイズを自在に変えられるとか? あるいは、第1巻では人間の言葉を話していたのに第3巻では喋れなくなっているらしいことから、知力と体力が逆相関の関係にあり、輸送力を強化するため会話能力をオミットしたのかも知れない。
レイベンが与えるヒントは、本文にもあるように分かりにくし、どうしても必要なわけでもないので、北側の壁を調べるのは体力のムダである。
また東側の壁も、ただの壁で何の情報も得られないため、調べるのは全くのムダ。
そして南壁では、書棚の本からドルアーガに関する情報、くずかごからは魅了の術についての情報を得られるものの、これらは直接的には冒険の役に立たず、あくまでヒントや予備知識の域を出ないため、体力を消耗してまで獲得するほどの価値はない。
つまり結論としては、西壁の壁画だけを見てそのまま中央の石像のダイヤルにアプローチするのが、最低限のダメージ(=最初の1ポイントのみ)で、この部屋を脱出する方法ということになる。

最大のツッコミどころは、くずかごから見つかる魔術師のメモだろう…なぜ日本語!? そりゃあ全文が謎の文字(←2階のメスロンの地図や、9階の酒蔵の挿し絵に書かれているアレ)で書かれていたら、とても読めないだろうけどさ。そして当時のプレイヤーの多くは、この件に関して別に違和感は持たなかったのではないか…かつて俺がそうだったように。
そういえば「七匹の大蛇」に出てきた、時の蛇の力を打ち破る魔法の巻物…あれに書かれていた謎の文字も、何とか意味を解読しようと、ムダな努力をしたっけ。結局あの呪文めいた文字列は全てダミーで、その上にデカデカと記されていたLIXの3文字が、単なるローマ数字だと知ったときの脱力感ときたら…(苦笑)。
話を戻すと“挿絵の中に日本語が存在すること”が問題なのだから、挿絵には謎の文字で記述──さもなくば挿絵そのものを省略──し、その訳である日本語を、本文中に記述すればいいんじゃないのかと…実際、呪文の記された巻物や書物(←これらの多くは古代語で書かれている)については、この方式が用いられているわけだし。

まぁ文字の表記についてはこの方式で乗り切るとしても、肝心のメモの内容そのものが言い訳不可能なので、どうしようも無いわけだが(笑)。
真鍮」と「真珠」を意味する単語が似通っている言語なんて、日本語ぐらいだろ…いや、他の言語なんてろくに知らないくせに、適当に言ってるんだけどさ。しかし仮に日本語だとして「しんちゅう」と「しんじゅ」は語感が似ているから、空耳してしまう可能性は否定できないものの、漢字で「真」を「真」と書き損じるだろうか?
たとえば魔法のワープロか何かを使っていて、変換前のカナ入力で「しんちゅう」を「しんじゅ」と間違えたとか…あー、魔法のワープロなら音声入力機能とか普通にありそうだけど、ちょっと使い手の滑舌が悪かったりしたら、入力ミスが頻発しそうではあるな。
というわけで、この世界の公用語は日本語だと認めなければなるまい。でもそうなると、34階でメスロンと邂逅して呪文の知識を交換する際、

メスロンMAGNOの呪文は、東洋では断公九封呪魔と書くんだけど、ね、読めないでしょう?」
ギル「いや、普通に読めるんだが」
メスロン「………」

みたいに、非常に気まずい空気が流れそうで困る(笑)。

中央の像にはドルアーガのフルネームが刻まれている。イニシャルにするとD.E.D、すなわち13階に通じる通路を開く暗号であり、壁画から文字を見出だせなかった(あるいは2つとも見出して、どちらが正しいか迷っている)場合に、誤った答えに誘導する意図もあるのかも知れない。

“1階まで帰る通路”は、その性質上どこに出口を設けても問題ないわけだが、あえて14階の窓や10階のバルコニーの近くに設置されているのは、「もう一度だけチャンスを与えよう」というドルアーガの親心だったりして…ドルアーガ様、じつはツンデレ?(笑)
“1階まで帰る通路”から14階の窓に向かってフック付きロープを投げるときの記述によると、12階から14階までの距離は15メートルであるらしい…つまり1階あたりの高さは約7.5メートルという計算だな。
普通の建物に比べるとかなり高いという印象だが、ドラゴンのような大型モンスターが暴れ回る衝撃に耐え、泉や熱湯プールなどの設備を収めるキャパシティを考えれば、これぐらいの厚みは必要なのかも。
そうなると12階から10階までの高さも、同様に15メートル前後と考えるべきで、飛び降りたら普通死ぬか、少なくとも大ケガして病院に運ばれるレベルだな…まぁ、あまりリアルな話をするのもナンセンスか。
そんな死のダイビングの衝撃でも割れないポーションの瓶が、なぜかより短い1階分のダイブ(←27階から26階への降下、あるいは7階の腐った階段からの落下)では割れるんだよなぁ。それどころか、10階のバルコニーで強風にあおられて、転倒しただけで割れてしまうという…どんだけスゴい風なんだよ!?

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