日曜日, 7月 25

ドルアーガの塔 FLOOR.10

【FLOOR.10】
モンスターコボルト3匹(技量ポイント:7、体力ポイント:4)※
トラップ①女盗賊(縛めを解くと、全ての金貨・食料・ポーション・真珠貝のかけらを奪われる)
②バルコニー
(強風で転倒し、ポーションの瓶が全て割れてしまう)
宝物①フック付きロープ(特定の場所で、特殊な階移動が可能)
②銀鎖のカギ(10階の拷問部屋に捕らわれても脱出できる)
③情報
④金貨7枚
出現方法①老騎士の縛めを解く
②老騎士を助ける
③老騎士と息子を助ける
④老騎士の息子と女盗賊どちらの縛めも解かずに、コボルトの部屋を出る

※1対3ではなく、1対1の戦闘を3回行なう

拷問部屋である。「イシター」でいえばNo.109のTORTUNE CHAMBERで、これは当然ノーマルBGMが流れるのだが、本作においてはドラゴンのBGMのほうが雰囲気に合っている気がするな…切迫感があるというか、長居は無用の場所というイメージがある。
ここは第1巻の折り返し地点となる階であり、第二のセーブポイントでもある。マップデザインとしては、不可逆の強制イベントが連続するという構成上の要求もあって、壁抜けパウダーの効果がない石壁で内壁を囲み、さらに各部屋をつなぐドアも、バネ式のカンヌキによって後戻り不可能にするなど、徹底して一方通行を強いる形になっている。

まず冒頭の、マジックロックされたドアについて。6階のドアは明らかに、メスロンがモンスターの侵入を妨げるために施したものだろう。今回は逆に、塔側が侵入者を遮断しようとして設けたものだと考えるのが妥当か。
ごく一部の例外をのぞいてモンスターたちは呪文を使えないようだから、9階より下にいる連中はここから先に進むことができず、これによって所属が分かれていると推測される。その違いが、ギルが捕らわれたときの連行先の違いにもなっているんだろうな。
しかし、モンスターの生態や社会のバックグラウンドが描かれ始めるのは主に9階以降であることを考えると、この階ではなく9階で分断したほうが、より整合性が増したような気もするぞ。ここで分断してしまうと、9階の連中は(14階あたりからの)食料その他の補給を受けられないんじゃないか…という疑問が生じてしまう。
もうひとつツッコミどころとしては、魔法は苦手だと言っていたクルスが、ここをどうやって突破したのかという点。やはり壁を壊したのか(笑)。でも石壁って、外壁と同じ構造なんだろ? 「ナイトメア」のギルも外壁は壊せなかったわけで…。

最初の部屋には老騎士が捕らわれている。ここでのベストチョイスは「縄を解いてやる」で、アイテムを2つともゲットできるわけだが、このうちフック付きロープは絶対に必要というわけでは無かったりする…12階の謎解きで正解ルートを選べば、何も使わず普通に14階へ上がることができるし、20階から21階へ上がる際にも、カーテンで代用できると記述されているし(←じゃあ、それをそのまま持ち越せばいいのでは?というツッコミは不許可なんだろうな。そもそもフック無しで、どうやって上の階に引っかけるのかも疑問だけど)。そして27階から26階へ降りる時に、改めてハメルーンからロープをもらえば良いというわけだ。
まぁ、持っていて困る物でも無いんだけど、もうちょっと多様な使い道があれば、手に入れる意欲も沸いてくるだろうに。例えば…

①「船」に置き去りにされそうになった時、飛び乗ろうとする際の成功率がアップ
②32階の泉で溺れそうになった時、命綱としてタウルスに投げられる
③51階の吊り橋の間に渡して、ショートカットが可能

などなど…って、どれも第1巻の範囲じゃないな(笑)。あとはメスロンかタウルスに頼んで、40階のバルコニーと42階のバルコニーの間をロープでつないでもらう(←ゴルルグとの対決はどーすんだよ!?)というのも考えついたんだけど、本文を読み返したところ「ロープは届かない」って、しっかり言及されていた。

もう一つのアイテムである銀鎖のカギは、ほかの場所で捕らわれたり死亡することが無いとしても、13階で経験値稼ぎを行なう場合に必要となる。
具体的な用途までは分からなかったはずなのに「手首につけておく」という正しい使い方ができたのは、いささかご都合主義という気もするが、まぁ許容範囲か。次の部屋を調べ回った時に、カギ穴のサイズが合うと分かったので、こんな事もあろうかと使い方をシミュレートしておいたんだよ!…とか、脳内補完しておこう。

老騎士が臨終間際にくれるヒントのうち、11階のものが良く分からない…「奥のドア」とはどのドアで、何を「見る」のだろう?
12階については、初プレイ時にはアッサリ読み流してしまったんだけど、何気なく正解が語られていたんだな。そして重要なのは“どれが正解ルートなのか知っている”ということは“残り2つのルートが不正解だと知っている”ことも意味するということ。
どうやって知ったのか?という具体的な方法としては、息子と2人がかりで探索できるという状況をうまく利用したのではないだろうか。つまり…ドルアーガのメッセージから、3つの道のうち2つがハズレだと知った彼らは、脱出口が開いても直ちに出ようとはせず、まずは1人だけが先行して様子を見に行ったのである。
2人のうち1人だけが部屋を出た場合、出口が閉ざされるのかは不明だが、仮に閉ざされたとしても、室内に残っていた者がもう一度おなじ出口を開けば、出て行った者は簡単に戻って来られるだろう。これを3回くり返し、それぞれの行き先が“1階まで帰る通路”、13階へ上がる階段、14階へ上がる外階段…であることを確認したうえで、ドルアーガのメッセージと照合すれば、正しいルートが判明するというわけだ。
こうして14階へ上がることに成功したものの、けっきょく彼らは敵に捕らわれてしまった。老騎士の素行からすると、ネズミ取りの罠にかかったとは思えないので、たぶんレストランにいたトロール2人組の手に掛かったのではないかと推測。
混戦のさなか、まず息子が捕まり、降伏しなければ殺すと脅された…と仮定すれば、息子がギルに言った「自分が一緒では足手まといになる」というセリフに、うまくリンクするのではないだろうか。

老騎士が捕らわれていた部屋からの出口は2つ。何らかの情報(←この場合は「言い争う声」)がある方へ進むべし…というセオリーに従って北のドアを開けると、押収品の分配をめぐって対立している3匹のコボルトの姿が。
スケルトン3匹にボコられた記憶も真新しいような状況では、この場に飛び込んで戦うのを躊躇してしまうのも致し方ないところ。だが実際には、奇襲による混乱と直前までの対立が影響して、3匹の足並みは全くそろわず、余裕で各個撃破できてしまう…同じ3匹が相手でも、スケルトン戦とは完全に真逆の、かなり楽な戦いなんだよね。

コボルトを始末したら、老騎士の息子を解放することで、彼ら親子のバックグラウンドと12階の謎解きの補足情報を得ることができる。数字ではなくアルファベット3文字を探せ…との事だが、見落としがちなのが“意味のある言葉”という部分。3文字の候補としてはDIEDEDの2つがあり、確率2分の1でバクチを打つしかないように見えたけど、一応ここでヒントが提示されていたんだな。といっても「ソーサリー」の3文字呪文と同じく、基本的な英単語の知識が無いと意味不明なわけで、小学生プレイヤーにとってはちょっと厳しかったんじゃないかと。
ところで、彼らの目的は奪われた王冠を取り返すことだったわけだが、その保管場所は15階の宝物庫と考えるのが理にかなっているだろう…つまり、目的達成まであと一息というところで力尽きたわけで、じつに惜しい。足手まといになるからと離脱してしまったけど、もうちょっと我慢してギルに付き合えば、王冠奪回の念願もかなっていたかも知れないのに。

女盗賊の侵入経路については、いろいろと考えられる。なにしろ盗賊なので、塔の外壁を(40階でタウルスがやったように)よじ登ってくればいいわけだし。いちばん手っ取り早いのは「10階のバルコニーから潜入して、その場で捕らえられた」というパターンだが、さすがに間抜けすぎるか。
コボルトの諍いの元になった金貨については、老騎士の息子がわざわざ持ち込んだとも思えないことから、女盗賊から巻き上げたものと推測するのが妥当だろう。
でも息子は離脱するとき、金貨を全て持って行ってしまうんだよなぁ…ま、まぁ大事な王冠を奪われて取り返すこともできず、しかも父親が死んでしまったとなれば、祖国に帰ったあと彼を待ち受ける運命は決して楽なものではないだろうし、せめてもの餞別にくれてやっても惜しくはないんだけどさ──こっちは、取りあえず必要な分(←テローダスのムニエルを注文できる金貨6枚)は持ってるからね。
話を戻すと、女盗賊の金貨の出どころについて普通に考えるなら、塔に入ってから適当な場所で盗み出したものだろうし、そこから「彼女は、それなりに塔内のあちこちを探り回った末に捕まったのではないか?」という仮定が成り立つ。
もっと上の階から潜入したという可能性は低そうだ…そうであれば、15階の宝物庫からもっと価値のあるお宝を盗み出しているだろうし、どの階に何があるかという正確な情報がない以上、あえて高い階まで外壁を登る意味は無かったはず。
となると、これより下の階という事になるが、これまで見てきたように、下の階にはバルコニーの類は無く、せいぜい5、6、9階に窓が開いていた程度である。窓の大きさについては言及されていなかったので、人が入り込めるぐらいの大きさだとしても問題は無いか。
さもなければ最後の手段…すなわち、ギルと同じように1階の正面入り口から入って、順番に階段を上ってきたという事になる(笑)。
“下から上がってきた”説の場合、8階の壁抜け区画と、10階のマジックロックが障害となりそうだ。そこで立ち往生しているところを捕まったのかもしれないし、ずっと気配を隠して待っていて、やってきた他の誰か(←モンスターもしくは侵入者)と一緒に通り抜けたのかも。あるいはギルにNAZLE(←だよね?)の呪文を唱えたぐらいだから、マジックロックは自力で開いた可能性もあるな…。
それにしてもギルは、しょっちゅう魔法で眠らされてる気がするぞ(笑)。37階のドッペルゲンガーゴルルグはもちろん、47階でもドルアーガの変身体に食らわされるし。まぁ全フロアを通しても18階と20階、それに50階でしかグッスリ眠れないわけで、きっと疲れが溜まっていたんだろう。
実際、塔に入ってからここまで徹夜で進んできた(←バルコニーのところで、夜明けが近いと描写されている)んだから、サイコロを振る余地もなく眠らされても仕方ないか…けっして女に鼻の下をのばして、油断したわけではない。塔に来たのもカイを救うためなんだし、他の女性にうつつを抜かすわけ無いじゃないか!

あと気になるのが、女盗賊に眠らされた場合、目が覚めた時には息子のほうも姿を消していること。ゲーム的な観点で見れば、息子が女盗賊に警戒するよう忠告する記述と矛盾しないための処置なんだろうけど、実際はどんな経緯があったのか想像してみると…
息子が自力で縛めから抜け出せたとは思えないので、やはり女盗賊が解放してやったと考えるべきか? ギルを身ぐるみ剥いでしまうあたり情け容赦ない性格のように見えるものの、じつは義侠心に篤い義賊で、息子の身の上話を聞いて同情したとか。
あるいはもっとシンプルに、息子に好意(←おもに性的な意味で)をもって連れて行くことにしたとか(笑)…まぁ息子は質実剛健な性格みたいだから、たとえどのような運命が待ち受けていようと、任務を放棄して盗賊のもとに身を寄せるよりは、素直に帰国して主君の裁きに従う道を選ぶだろうな。
いっそ両者が協力して塔に再挑戦し、めでたく15階の宝物庫に到達。息子は王冠を奪還し、女盗賊は財宝をガッポリ手に入れ、それぞれ幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし…というのも面白いかも知れん。居眠りしてたギルは全くいいとこ無しだけど(笑)。

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