日曜日, 7月 25

ガンダムエース8月号

今日は休日出勤。午後からの勤務なので少し早めに家を出て、通勤電車を途中下車しK1書店に立ち寄る。昨日のV書店では影も形も見当たらなかったガンダムエースが、なぜか普通に平積みされており──でかい付録があるとか、立ち読み不可能なほど分厚いわけでもなく──立ち読み可能の状態だったので、やや拍子抜けしつつ読むことに。
ちなみにアフタヌーン少年エースはビニール袋に入って立ち読み不可…うまく棲み分け(というか何というか)されていたのは幸運と言うべきだろう。
いつも通り富野ですとコラムの一部を残して読み終え、ふたたび電車に乗って出社したのは出勤時間の30分ほど前。時間を食いそうなガンダムW小説が掲載されていなかったこともあり、かなり早めに着いてしまった…これなら残りも全て読んでしまえば良かったか。
代償としては、やはりこえでおしごと第4巻は在庫が無かったので、仕方なく(連載を読んだ勢いに便乗して)UCバンデシネ第1巻を購入することに。

オリジン
表紙を見て分かるように、今月の主役はジオングである。ギレン直轄で開発されていたり、MSではなくMAにカテゴライズされていたりと、細かいところがアニメ版と違ってるな。「あんなのは飾りです」の担当者が小者っぽいデブに変更されていたのは、些細なことだけど改悪だと思う。
ララァを失ったシャアがギレンに泣きつくという流れは納得できるし、そのギレンがシャアにチャンスを与えるのも勝者の余裕(←見え見えの没落フラグだけど)として分からないではない。しかしキシリアのニュータイプ部隊を否定しておいてジオングを開発していたとか、失敗続きでしかも腹にイチモツ抱えているに違いないシャアに敢えてチャンスを与えるとか、やはりオリジン版のギレンは肝心なところが抜けているという印象。
キシリアがドロスに直接乗り込んでワッケイン艦隊を撃滅するとは、相変わらずアニメ版に比べて連邦軍は厳しい状況が続くね。追い詰められたブライトは、途中で途絶したワッケインの遺言に従って──じつは間違って解釈していたらどーするんだ!?(笑)──ア・バオア・クー突入を指示するわけだが、明らかに戦術としてデタラメだよな…艦隊の接近は不可能という前提で、MS上陸作戦を行なうよう決定したわけだし。このままでは「味方が弱すぎるので、敵同士を仲間割れさせて共倒れにすることで、何とか勝利」というZZパターンか、そこまで行かなくてもギレンVSキシリアVS連邦残党による三つどもえ状態になるんじゃないのか?
やはりセイラは要塞に流れ着いたのね…捕らわれるにせよ逃げのびるにせよ、最終的にザビ家のどちらかと対面する展開なんだろうか? 間もなくジオングで出撃するであろうシャアとは、逢えそうにないけど。

安彦×恵子対談
実際に会って話すのは初めてらしい。安彦の解釈によれば、ララァの行動原理の根底には家族を養うことがあり、その象徴として家族の写真を大事に持っていたものの、フラナガン機関での日々の後にはその記憶も失われてしまう…というエピソードによって悲劇性を演出したかったそうな。
でもそういうのって(安彦本人は良い演出だと思ってるのかも知れないけど)後のシリーズの強化人間やら他の作品やらで、さんざん描きまくられ陳腐化してしまっているわけで、やらなくて正解だったと思うぞ。

ジョニーライデンの帰還
敵の黒幕らしき連中が描かれた事からすると、ようやくストーリーの方向性が定まったか? MS-06Gなんてマイナーな機体を登場させるとか、どこに向かってるのか分かりにくいけど、まぁお手並み拝見だな。

ハイブリッド4コマ
監視カメラ越しに、カンペを使って自分への投票を呼びかけるオードリー…キツい要求してるくせに照れているところが可愛い。学長権限を利用して水着コンテスト開催を画策するカーディアスのダメっぷりが素晴らしいです。今さらだが、バンデシネ本編の直後にUCネタだけ集中させる編成は破壊力でかいわ。
そして鉄仮面も、ベラの票固めに大わらわ…ちなみに「セシリー」は無効票らしい(笑)。うーむ「オードリー」も危なそうだ。

逆襲のシャア BEYOND THE TIME
自分でケーキを渡そうとするとか、意外と細かいなローレン。そういう事は部下に任せて、被験者を完全にモルモット扱いするようなタイプかと思ってたよ。
完全オリジナルキャラである被験者たちの個別エピソードまでやり始めたら、メインストーリーからの逸脱が加速しそうだ…CDAどころかエコール並みに脱線するんじゃないかと不安になってきた。

ギャグ シャア
後ろの方にまとまっている4コマ群と異なり、中ほどに独立して掲載されているだけあって面白い。ナナイの恐妻ぶりがハンパなくて、マジ最凶。

ガンダムさん
相変わらずガンダム創世を除いてはツマランな。そのガンダム創世は、ようやくガンプラブームが始まる(←偶然か、今月号では近藤もガンプラブームに関して、自身の体験を交えつつ描いている)一方で、イデオンが打ち切られたことに関連するエピソード。
スポンサーへのプレゼンを終えた後、まったく違う企画内容をスタッフに話す富野の図太さは突き抜けてるな。でも打ち切りに関する冗談を受けて、安彦とポカスカ殴り合うシーンは微笑ましい。

ジオン公国幼年学校
前回に引き続き、予想外にマトモな内容であることに驚かされた。宇宙における航法技術の土台としての物理とか、兵站を把握するための統計学とか、きちんと士官に必要な基礎学問を教えてるし…と褒めようとした矢先に、主人公の母親が教師相手に不倫とか。こんな昼ドラみたいなやり方でドラマを作ろうとしてしまうのが、女性の感性というものなんだろうか。
しかし、かつてGガンがそうであったように、“ガンダムとはこうあるべき”という固定観念に縛られて停滞しつつあるガンダムエース掲載作品の中に、全くの異分子を放り込むことによって新たな方向性を生み出そうという試みは評価されるべきだろう(←ちょっとだけ本気)。
それはともかく、ラストは戦争そっちのけで、真相を知った主人公が教師を殺しに行くドロドロ展開? でもって教師が死に際に「私を殺すことで、きみの人殺しとしての教育課程は修了する。そのために私は、きみの母親と寝たのだ」とか言い出したら、激しく萎える悪寒。

Gガンダム
100ページ超えということで気合いを入れて読もうと思ったら、そんな必要もなくスラスラと読めてしまったので脱力。最後の約10ページなんて、アニメの前期OPそのまま(歌詞付き)だし…同じ演出がオリジンで好評?だからって、真似しなくてもいいのに。どうしてもというなら、見開きページにまとめて歌詞を掲載する仮面ライダーSPIRITS方式のほうが、個人的には好きなんだけど。
原作通りに手堅く進めるのかと思いきや、いかにも島本らしくギャグ演出──爆弾入りのカバンを押しつけ合ったり、ピザで釣って自白させようとしたり──もふんだんに盛り込まれていて、かなりアニメ版とは印象が異なっている…と言っても本放送以来ノーチェックなので、記憶は曖昧なのだが。

カイのメモリー
インターミッションと言いつつ実際は、単行本作業のため1回休みだな。まぁ、ようやく単行本で読めるのは嬉しくはある。

残念!シャア少佐
ファースト第4話ネタ。ブライトの警告に対する反論として、後の作品におけるシャアのへっぽこぶりを皮肉たっぷりに語るワッケイン。しかもわざとスクランブルを外し、シャア本人に聞こえるようにして挑発するとは、なんという策士(笑)。

MS BOYS
俺たちはようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠いBOYS坂をよ…。なんという打ち切り臭。まぁどうでもいいや(笑)。

富野です
今月のお相手は、東京スカイツリーを設計した人。富野がこの業界について多少なりと語れるのは、等身大ガンダム建造に関わったからか。地震は当然として、高くなると風の影響も考慮しなければならなくなるのね…日本は地震と台風、両方の影響を受ける数少ない国だそうで。
初期のアイデア出し段階で提示されたという、数々の「SFさながらの珍妙なプラン」とやらを、ぜひ見たかった…社内資料なので公開はNGらしい、残念!

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