木曜日, 1月 21

藤子F全集・ドラえもん第4巻

ニュータイプ2月号とオトナアニメを立ち読みした代償として、S1書店で購入。候補としては藤子F全集しかなかった──先日の20%引きセールを利用して、古本屋でサンレッド第4巻を購入したものの、アニメ版よりもさらに絵が雑で読みにくかったため、新刊を買うのは躊躇われた──ので、あとは消去法で決定。
こういう大物を買うと図書カードの減りが激しいな…残り1400円ほどなので、また近いうちに金券ショップで補充しなければ。

ふくわらい石けん」や「変装服」など、低学年向きの話が予想外に面白かった。想定される読者に合わせて、ストーリーや道具のアイデアに凝るよりも一発ギャグや絵的なインパクトで笑わせる手法がメインになっており、ギャグマンガ(←正直、子供の頃はドラえもんをこう分類することに抵抗があった。やはりギャグメインの作品に比べると、笑いのパワーが違ったわけで…。大人になった今だからこそ笑えるネタも多いし)としても遜色ない。
大山のぶ代(巻末解説)に言われるまでもなく鉄板の「ぞうとおじさん」と「さようならドラえもん」→「帰ってきたドラえもん」に加えて、「オオカミ一家」あたりも泣ける話だな。泣かせ系じゃないけど、「夢まくらのおじいさん」や「りっぱなパパになるぞ!」も、この歳になると味わいの分かるようになる、しみじみといい話。とくに後者は、卒業する小学生(←初出が「小学6年生」3月号)に作者が送るエールでもあるんだろうけど、手放しに「大人になるのって楽しいよ!」ではなく「そんなに悪くないよ」ぐらいにニュアンスになってるのが、いかにも藤子F的と思える。
驚いたのは、俺の記憶にある絵(=てんとう虫コミックスに収録)と今回の絵(=小学館学習雑誌に掲載)が、かなり違っていること。「ポータブル国会」は無茶すると自動的に壊れるようになってる──しかも爆発音が「カイサン!」(笑)──とか、上述の「夢まくらのおじいさん」もコミックスでは1ページまるまるカットされてた──おじいさんが、息子(=のび太のパパ)が一人前になったとのび太から聞かされて喜ぶという、いいシーンなのに──とか。あと、スネ夫の一人称が「おれ」だったのも、ちょっと意外。
付録の年表(現実の歴史と藤子作品の歴史、そして作中の歴史を並列表記したもの)を見て笑ったのが、のび太の未来予告アルバム。

>1988年 就職できなくて、自分で会社を始める
 (中略)
>1995年 会社つぶれ、借金取り押しかけ記念

連載開始の時点から計算しただけの偶然の一致だというのは分かってるけど、バブル真っ盛りの時代に就職できないのび太はさすが! たとえ丸焼けにならなかったとしても、バブル崩壊で会社が潰れていたことは想像に難くないな。
全集2期では大長編ドラえもんも刊行されるらしいけど、初期の5本+桃太郎が収録された「映画大全集」を持っているので必要なし。

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